能楽扇には『中金製』、『本金製』と呼ばれる種類があります。
【中金】…銀箔に黄色の染色で染め、金に見せる金箔(いわゆる偽金箔)を使用します。絵具は日本画用の泥絵具を使います。
【本金】…金の純度が高い金箔を使用します。基本泥絵具で着色しますが、岩絵具(天然鉱石や化学鉱石等)という高価な絵具を部分的に使用することで、絵全体に重みを利かせます。
また、昔は描きこみ具合によって中金か、本金かと分けられることもありました。
緻密に描かれているものほど、上等な扇だという周りの認識が強かったためです。
しかし、近年は中金製でも緻密に描かれるものが増えています。その上、費用が抑えられるので広く使われるようになりました。
本金の良さは、純金ならではの厳かさや、色の華やかさがあります。また、純金なので経年変化による焼けなどはありません。




※例として挙げている画像は、本金=中啓だとは限りません。中金でも中啓に仕立てられます。逆もしかりです。
こちらの二点は、違うように見えて同じ構図になっています。演者のこだわりや用途によっては、一見違う絵柄になるのも面白いところです。
舞扇は、能扇の絵柄から参考にされるものが多くあります。詳しくは別枠でご紹介します。

